主人公である高校生、森嶋帆高の語りから始まる。その内容は、帆高の人生にとんでもない影響を与える、女子中学生の、天野陽菜(あまの ひな)。この人との出会いから始まる物語りです。
この女の子と繰り広げられる二人だけが知っている、世界の秘密の物語。
その陽菜には、入院中の母親がいる。父親は居ない母子家庭と想定する。が、弟がいるらしい。
入院中の母親は、もう、話す事すらできない、寝たきり状態になってしまっていた。
その母親を病室で見守っていた雨の日、光の水たまりの様に見えるビルを見つける。その虹が照らしていたビルに、何故か、行かなければならないというかの様に、惹きつけられて向かってしまう。
そのビルは、立ち入り禁止になっていた。入口もふさがれている。そして、朽ちそうな階段。でも、虹は、そのビルを照らしている。母の病症に何もできない、無力な今を変えれるのなら・・・、何かに縋(すが)れるものならば、縋りたい!という思いは、その場所に向かう事に何のためらいもなかったであろうと感じたのは、私だけでしょうか。
その照らされている場所を当たり前のように上っていく。たどり着いた屋上で見た光景は、今、強く願いたいことを叶えてくれそうな偶然!それは、・・・そう!神様が祀られていたのです。降り続けていた雨が止み、晴れ間が射してきた。思わず強く願いながら砦をくぐる。その瞬間、不思議な出来事が起こる。これが、世界のかたちを変えた瞬間になり、物語を繰り広げていきます。
一方、帆高は、船に乗って、神津島という島から家出をして東京に向かっていました。その船で出会った人物に命を救われる様な出来事が起こる。それは、船内放送で間もなく非常に強い雨が降ると案内が入る。
甲板にいる方は船内に非難するようにとも案内されている最中、船内に向かう乗客の人波に逆らい、甲板に出る帆高。空を見上げて、一粒の雨が顔に。・・・来た!とドっとスコールの様な強烈な雨、その後に猛烈爆発的な雲から、船体が傾く程の滝に打たれたような雨量で、そのため、船体は一気に傾いてしまう。
帆高は、甲板を滑り落ちていき海原に放り出されそうになる。その時、神の手!救いの手!が・・・帆高の手をつかんでくれたのです。
豪雨を楽しめると、嫌、シャワーを浴びるつもりだったのかも・・・ことを舐めた挙げ句の結果、命拾いをするような、お助けマンに出会う。
お礼にと船中で食事をご馳走する。無理して大人の男性にご馳走した挙げ句、ビールまで奢らされる。ビールは、予定外だったみたいで、船中価格は、決して安いものではない。まして、学生の家出、高くついたことに後悔する。東京って怖い・・・恐ろしさを知ったとブツブツ独り言・・・そして、その人物(須賀 圭介)からは、何かあればと、名刺をもらった。
須賀は、「東京に何しに来たんだ青年」と尋ねるが、家出!・・・なんて、出会ったばかりの、見ず知らずの人に言うわけにもかず、その場をかわし、無事上京する。そして、すぐにアルバイトを探してお金を手に入れようと、手当たり次第、職を探すが、16歳の高校生、身分証もなければ、住所も不定、雇ってもらえない事を知る。考えが甘かったことに気づく。
ネットカフェでその場を凌ぐ(しのぐ)、が、そんな凌ぐ生活は、長く続かず、凌ぐ場所さえない東京、でも諦めず彷徨い歩き、ある雑居ビルで雨宿りし、自動販売機の横で寝込んでしまう。すると、「うちになんかよう?」と言われたので、立ち去ろうとするが、足を引っかけられ、こかされてしまう。
その時、缶と瓶が入ったごみ箱をひっくり返してしまった。そのゴミ箱を片付け様と拾い出した中に何かを包んだ紙袋を見つけ、缶と瓶以外の物を分別しないといけない?か何を思ったか拾ってしまう。ファーストフード店でその中身を確認してびっくり!拳銃が滑り落ちたのだ。慌てて拾いあげ、カバンに突っ込む。誰かに見られていなかったか辺りを見回す。
とんだ落し物を拾った青年。困った事があったら連絡をと貰った名刺を思い出したのか・・・
ポケットから名刺を取り出し、住所を検索してみる。もう、お腹が空いても食べ物を買うお金の余裕はない。空腹に耐えジュースを飲み顔を伏せる。不思議な夢を見る。そこで意識が戻ったのか、ふと顔を上げると店員さんがハンバーガーを差し出してくれた。内緒だよと。3日も通っていた事を知っていた。
そう、この店員こそが、年齢を偽ってアルバイトしていた陽菜。
これが初めての出会いとなる。
そして、頼るあてもなく、貰った名刺を宛てに、須賀を訪ねることにする。あのお礼でご馳走した人物、ビールをねだられ、大人に集られたという後味の悪さを持ちつつも、その人物(須賀 圭介)を頼りにするしかなかった。やっとたどり着いた場所には、須賀の姿はなく、女の人がソファーで眠っていた。驚きと戸惑いながらも、声をかけてみる。
すると、須賀から帆高が訪ねてくることを聞いていた事と、新しいアシスタントとして快く招いてくれた。この女性は、須賀の姪の夏美だった。そうとも知らない帆高は、愛人だと勘違いする。須賀との関係性をはっきり教えてもらえない帆高をからかう夏美。そうこうしてるうちに、須賀が現れる。
そして、仕事の内容を話し始め、ネットで噂の100%の晴れ女の存在の取材をしてくるように言われる。出来なさそうな仕事を言いつけられ、断ろうとするが、須賀の取材アポがあるから行ってくるように言われる。その一言に、夏美と一緒に占いの館へ取材へ出かける。
その結果を須賀に報告し、文書作成中の文章を見て、採用決定をもらう。が、帆高は、こんな仕事出来なさそうと再び断るが、住み込み&飯付きの一言で決定!帆高の東京生活が始まった。ほとんどが雑用で、たまに夏美と取材に出かける。忙しい毎日は、瞬く間に過ぎていく。
そんなある日、道端で偶然、ファーストフード店で出会った陽菜を見かける。見ると、怪しい男二人に何やら絡まれている。その男二人に働くように連れていかれそうになった陽菜の手を引っ張り、男らから逃げ去る。その男らは、追いかけてくる。が追い付かれてしまう。男は、少女とは、話が付いていた事を告げる。
帆高は、まさか・・・と陽菜の顔を見る。そこで男は、以前帆高が雑居ビルの前で雨宿りをしていた少年と気付く。嫌がらせかと殴りにかかられる。
そこで以前拾った拳銃を向けてしまうが、偽物と思われていた事で発砲してしまう。本物と知った男は、怯み、その隙に逃げる。逃げ込んだ先は、あのビルの中、そこで陽菜が、何故拳銃なんか持っているのか、ハンバーガーのお礼のつもりで助けたのかと怒鳴りつける。銃を持っていた事にも人に向けて発砲した事も、当っていれば殺していたかもしれないと思いっきり怒りを言葉に出す。気持ち悪い最悪と。
帆高は、持っていた銃を取り出し我に返ったかのように、地面に投げつける。
その姿を見て、少し落ち着いた場を察し、陽菜は、帆高の元に近寄る。そして、アルバイトをクビになった事を告げる。その原因は、自分にハンバーガーを無料で提供した事だと察した。すぐに謝る帆高に陽菜は、それが原因ではないと安心させようとする。でも、稼げる仕事を探していたことを話す。
帆高は、自分が勝手にしたことを謝る。その姿を見た陽菜は、男らに殴られた帆高に「痛い?」と頬を触る。動揺している帆高に「君家出少年でしょ?」と、見透かしたように言う。
せっかく東京に来たのに雨だねと、「ちょっと来て!」と一緒にビルの屋上に上る。空を見上げて「今から晴れるよ!」と、雨が降ってる空に向かって祈るように目を閉じている陽菜の姿を見て驚いた帆高、なんと!あんなにドンヨリと曇っていた空から晴れ間が見えて来た。ここで帆高は、陽菜に向かって「晴れ女!」と言い放つ。
2人の不思議な秘密が始まります。
この続きは、次回に!