ナイトメア・アリー

ナイトメア・アリー

ショービジネス界の華やかな光と甘美な闇が誘う、華麗なる迷宮。ギレルモ・デル・トロ × オールスターキャストが贈る、サスペンス・スリラー超大作。

1946年に出版された名作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」が原作。1947年にエドマンド・グールディング監督、タイロン・パワー主演で『悪魔の往く町』として映画化された。

今回も大まかな物語は変わらず。しかし、デルトロ監督は物語の伏線をしっかり描かれていて、今回のほうがよりわかりやすくなっている。さらに主人公スタンと父親のエピソードを描いたり、物語に深みが増している。もしかして、オリジナルにないような怪物とか出てくるのかと思ったが・・・額にもう一つの眼のような胎児のホルマリン漬け。あれが意味するものを考えてみたい。『シェイプ・オブ・ウォーター』の半魚人同様、額に眼のようなものがある。ヒンドゥーにシバ神、手塚治虫の『三つ目がとおる』など、”千里眼”として特殊な能力を意味する。

家に火を放つ意味深なオープニングシーンのあと、クレム(ウィレム・デフォー)率いる見世物巡業の一座に加わったスタン(ブラッドリー・クーパー)の成功と凋落の物語。

見世物一座では、ギーク(鶏を食いちぎったりする獣のような見世物)に関する話や、タロットカード使いのジーナ(トニ・コレット)と、読心術に長けたアル中のピーター(デヴィッド・ストラザーン)夫妻がやっている透視芸に興味を持ち、読心術をピートから吸収する。

感電芸をやっているモリー(ルーニー・マーラ)に惹かれたスタンは、モリーの保護者役のブルーノ(ロン・パールマン)に殴られつつ、二人で一座を抜ける。

妻となったモリーを助手に、メンタリスト・ショーで成功するスタンだが、裕福な客が集まるショーに夫と来ていた心理学者のリリス・リッター(ケイト・ブランシェット)と接点を持って以降、その強欲に火が付き・・・

見世物巡業一座のアングラな世界、メンタリストとして成功して以降のゴージャスな世界、そしてラストに向けてのノワール・スリラー的世界。
スタンの父との関係、アルコール、ギーク、エノクと名付けられた不気味な赤ん坊の標本…などの伏線。
デル・トロ監督ならではの世界が楽しめました。
キャスティングも秀逸で、特に前半のトニ・コレットと後半のケイト・ブランシェットがいい味。

キャスト

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、メアリー・スティーンバージェン、デヴィッド・ストラザーン
脚本:キム・モーガン、ギレルモ・デル・トロ
原題:Nightmare Alley
上映日:2022年03月25日
製作年:2021年
製作国:アメリカ

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